四月は、まだこの場所の輪郭そのものが定まりきらない月だった。
それでも、先に集まってくるものがあった。少し遅れて届く字幕、三枚目だけ深く沈む写真、雨の夜にだけ正しく鳴る和音。どれも大きな事件ではないのに、現実の表面がほんの少しずれるだけで、見え方が変わってしまう。
選品の棚にも、同じようなものが残った。走る朝にだけ意味を持ちはじめる小さな部品や、光の角度で表情を変える長財布。用途や説明よりも先に、気配のほうが立ち上がるものたちである。
今月の棚では、そういう断片をひとまず同じ面に置いてみる。四月の De:CORE SELECT は、まだ始まりの途中にあるけれど、その途中にだけ見える温度もあるのだと思う。